1859年(安政6年)、横浜の居留地で、米国人のエリザベス・ゴッドウィン・ブラウン婦人により、日本で最初の注文洋服店が開業されました(夫はブラウン博士。夫妻は米国大使館付のプロテスタント宣教師)。
その後、日本の足袋職人、袋物師、仕立師が洋服仕立てを学びました。
そのうちの鈴木徳右衛門、植村久五郎、山岸民次郎、大谷金次郎、遠藤辰三郎、小澤惣太郎らは、いずれも明治時代の注文洋服業界・組合運営の先駆者となりました。
当組合の先達となった「東京洋服商工業組合」の成立は、1886年(明治19年)のことです。今から120年も前のことになります。
以来、日本の服装文化の歴史とともに歩んできた当会は、温故知新、クラフトマンシップをモットーに、最高の品質を追求する職人の集まりとして、注文洋服の発展・普及を担って参りました。
質の高い品格ある服装文化の追求とは、長い歴史の中で育まれた豊かな伝統の技による、着心地の良い感動が基本姿勢の洋服創りのことです。これからも、この原点を迷うことなく次の世代に伝えることが、我々の使命であり、職務であります。
服装文化の発信者として紳士注文洋服の普及に努め、さらなる発展に貢献して参ります。